食事の改善と獣医療の発達によって、以前に比べてねこさんの寿命は長くなりました。一方で、年齢とともに経験する疾患の種類が増加し、それに伴う治療の選択肢とその幅も広がりました。当院では定期的な健康プログラムの推奨を通して「健康寿命を延ばす」ことをシニアケアの第一の目的に掲げています。
そして、シニア期におけるもう一つの大切なポイントが終末期ケアです。
札幌ねこの病院の終末期ケアの考え方
病気の末期などにおいて、大切な家族であるねこさんが痛みや辛さで苦しんでいる姿を目にすることは飼い主様にとって本当に辛いことだと思います。高齢だからという理由で必要な検査ができず、「原因が分からない」「対症療法しかできず治療効果を感じられない」などのお声を聞くこともあります。
当院では、検査によって得られるメリットがリスクを含むデメリットを上回る場合については、慎重に判断した上で検査を実施し、効果的な治療を模索する機会を提供しています。もちろん検査実施の有無やその後の治療の選択肢については、飼い主様のご意向を尊重し、飼い主様と確認しながら進めていきます。原因究明を行うことは、最適な治療のために必要不可欠ですし、その後の治療方針に対する飼い主様の納得感にもつながると考えています。
年齢に関わらず、どんな検査であってもねこさんにはストレスがかかります。検査を行う場合は、一頭一頭のねこさんをしっかり診察させていただき、健康状態だけでなく個性や性質を踏まえて、必要に応じて鎮静薬を使いながら検査を行っています。
おわりに
シニア期においては、検査や治療の積極的選択が必ずしも最善の選択ではない場合もあります。当院では、ねこさんが苦しみや負担からできるだけ解放され、飼い主様とともに安心して穏やかな日々を過ごせることこそが、終末期ケアの目指すべき方向性であると考えています。病気の進行や老齢による変化に直面し、ねこさんも飼い主様も戸惑いを感じることもあるかもしれません。終末期ケアについて、ご不明な点や気になる点、悩んでいることなどがありましたら、小さなことでもぜひご相談ください。当院では、飼い主様がねこさんとご家族にとって一番良いと思える選択肢を選び取っていただくために、最大限サポートさせていただきます。

