猫さんが夜中に「ニャーニャー」と何度も鳴いてしまい、寝不足やご近所付き合いに悩んでいるというご相談をお受けすることがあります。今回のブログでは、猫さんの夜鳴きが気になる時にまず考えていただきたいポイントをまとめてみました。
①受診して「疾患」の可能性を排除する
猫さんの夜鳴きには年齢や性格、飼育環境によってさまざまな原因が考えられますが、中には疾患が隠れていることも。夜鳴きが長引く場合や「普段と鳴き方が違う」などの違和感を持った場合は、ぜひ一度受診されることをおすすめします。
猫さんが体のどこかに痛みや不快感を抱えていると、それが夜鳴きにつながります。また、甲状腺機能亢進症や高血圧など、夜鳴きを誘発しやすい疾患もあります。まずはそれらの疾患が隠れていないかどうかを検査によって明らかにします。
②ご高齢の猫さんの場合は
年齢の高い猫さんの場合は、①の疾患のほかに、高齢性認知機能不全(認知症)が原因となって鳴いている可能性も考えられます。こちらの場合も①と同様にまずは病院への受診が大切です。
➂「疾患」の可能性が排除されたら
検査によって疾患の可能性を排除することができたら、疾患以外の点から夜鳴きの原因を探ります。当院では、猫さんの性格や飼育環境などについてできるだけ詳しくお話をお聞きしながら、飼い主様と一緒に原因を考えていきます。
疾患以外の原因として、よく見られるのが「家族と遊びたい」「不安だから来てほしい」など、飼い主様の「関心を求める行動」として鳴くパターンです。
猫さんが鳴いていると、寝ていても体を起こして「おやつかな?トイレかな?」とお世話をしてあげたくなりますよね。しかし「関心を求める行動」として鳴いている場合、この対処方法は実はおすすめできません。猫さんが鳴く度にその要求に答え続けていると、その行動が繰り返されるばかりか、どんどんと要求がエスカレートしてしまうこともあります。
関心を求める夜鳴きの原因としては、多くの場合、運動不足や遊び(発散)不足によるストレスが考えられますので、まずは原因を見極め、その原因を取り除いてあげられるようアプローチします。運動不足であれば、日中たくさん体を動かせるように環境を整えてあげます。遊びが足りていない猫さんには、狩猟本能を満たす知育トイなどの道具(おもちゃ)をご提案することもあります。またどうしても夜中にお腹が空いてしまう猫さんには、オートフィーダー(時間になると自動的に決まった量のおやつが出てくる)の活用もおすすめしています。
おわりに
猫さんの「夜鳴き」が気になるという方には、基本的にはまず受診していただくことをおすすめしています。その上で、それぞれの原因に応じた対処法を飼い主様と一緒に考えていきます。
当院は「ねこの医療を通じて、人と動物の絆の素晴らしさを伝えていく」をモットーとしております。猫さんの健康はもちろんのこと、猫を愛する飼い主様のための病院として、たとえ小さなお悩みであったとしてもしっかり解決へと導いていきたいと考えております。ぜひお気軽にご相談ください。