全身がフワフワの毛で包まれているねこさん。毛並みを綺麗に保ち、スキンケアをしてあげることは、見た目の良さだけでなく、ねこさんの健康にとっても大切なことです。
基本は毎日のブラッシング
ねこさんの汗腺は鼻と足裏だけにしかないため、皮膚から汗をかくということはありません。そこで、ねこさんのスキンケアでは、抜け毛を取り除き、毛並みを整えてあげるブラッシングが基本となります。子猫の時からブラシに慣れさせ、毎日の習慣にしてあげましょう。ブラッシングが習慣になっていない大人のねこさんは、刺激の少ないブラシを使い、短時間からご褒美と一緒に始めます。いつからでもブラッシングに慣れさせることは可能です。
ねこさんのブラッシングの注意点は以下の3点です。
- 柔らかいブラシから
ブラッシング用のブラシは、シリコン製のものやプラスチック製のもの、天然素材のものなどさまざまです。最初は柔らかいものを選び、皮膚を傷つけないように注意してあげてください。毎日のブラッシングが習慣化したら、さまざまなブラシを試しながら、ねこさんのお気に入りを一緒に探してあげて下さいね。全身をまんべんなくかけられるようにすることが大事です。
- 静電気に注意
ブラシの素材によっては静電気が発生してしまうこともあります。静電気は毛玉のもとになるため、できるだけ静電気が発生しないような素材のブラシを選ぶことをおすすめします。また乾燥も静電気の元となるため、あらかじめ毛を湿らせてからブラッシングを行うなど工夫されている飼い主様もいらっしゃいます。
- 力加減に注意
ブラッシングの際、皮膚をゴシゴシと強くこすりつけるようにしてしまうと、それによって皮膚が傷ついてしまうこともあります。ブラッシングの目的は、毛のもつれをほぐし、抜け毛を取ること。優しくマッサージするようなイメージでブラッシングしましょう。
ブラッシングが足りていないと…?
短毛で、自分で毛づくろいができているねこさんの場合、飼い主様がブラッシングしてあげなくても困ることはほとんどありません。しかし同じ短毛種のねこさんでも、毛づくろいが苦手だったり、年を重ねて毛づくろいができなくなってしまったりすると、自分で抜け毛が処理できなくなってしまいます。ブラッシングが足りず、抜け毛が固くなってしまうと、毛玉や毛づやの悪さの原因になります。また、古い毛の下の皮膚に汚れがたまり、かゆみや皮膚炎にもつながりかねません。
長毛のねこさんでは、ほとんどの場合、飼い主様による毎日のブラッシングが必要不可欠です。とくにねこさんが自分で毛づくろいできないお腹の部分は、ぜひ飼い主様が丁寧にブラッシングしてあげてください。皮膚炎の原因となる毛玉ができてしまった場合は、病院で毛玉をほぐして取り除くことができますのでお気軽にご相談ください。
シャンプーが好きな子は
皮膚から汗をかかないねこさんにとって、定期的なシャンプーは必ずしも必要なことではありません。上記の通りしっかりとブラッシングができていればスキンケアとしては十分です。
しかし、ねこさんによっては飼い主様とのコミュニケーションの一つとしてシャンプーを好む子もいます。また、何らかの原因で毛に汚れや臭いが付いてしまった場合、シャンプーすることで体を清潔に保ちたいと考える飼い主様もいらっしゃるかと思います。以下はねこさんをシャンプーする際に注意していただきたい点です。
- ねこさん用のシャンプー液を使い、洗った後はしっかりすすぐ
ねこさんは毛づくろいする際に毛を舐める習性があるので、もし毛にシャンプー液が残っていると、シャンプー液ごと舐めてしまうことになり、結果として肝臓や腎臓への負担につながるリスクがあります。洗った後はしっかりとすすぐようにして、シャンプー液を完全に洗い流してください。また、ねこさん用と書かれた商品は、そういった点も考慮して、ねこさんが口にしても問題のない材料を使っています。シャンプー液を使う際は必ずねこさん用のものを選びましょう。
- 洗いすぎに注意
ねこさんの場合、皮膚ではなく毛を洗うイメージでやさしくシャンプーします。「汚れを落とそう」と、指を立ててゴシゴシと洗ってしまうと、皮膚の状態が乱れ、角質層が荒れてしまい、皮膚トラブルが起きやすくなってしまいます。そうならないように、シャンプー液は直接皮膚には垂らさず、泡の状態にしてから優しく包み込むようにマッサージしてあげましょう。
- しっかり乾かす
シャンプーの後は生乾きにならないようにタオルなどを使ってしっかりと乾かします。ドライヤーを当てる場合は、冷風と温風を繰り返して体温が上がりすぎないように気をつけます。
「洗ってあげたいけれど、ねこさんが嫌がってしまう」という場合は、無理にシャンプーせず、カットを工夫したりドライシャンプーを活用したりといった方法もあります。
おわりに
人間ほど汗をかかないねこさんは、毎日のブラッシングがスキンケアの要となります。ポイントはやさしく行うこと。ねこさんとのコミュニケーションにもなりますのでぜひ挑戦してみてくださいね。